1-5. 確定申告の流れとe-tax

1.申告手続きの方法

確定申告の期間は、申告の種類によって違います。
通常の所得税の確定申告は2月16日から3月15日の間に行います。
しかし、年末調整をしたサラリーマンの方が行う「還付申告」の場合、2月15日以前でも申告することができます。どちらの申告も3月15日が締め切りとなっています。締め切り間際の税務署は大変混雑して、手続きに時間がかかりますし、還付金が戻ってくるのも遅くなります。なるべく早めに余裕を持って申告しましょう。
 
かつては確定申告というと税務署まで行って混雑した会場で行う印象がありました。今ももちろんその方法でもよいのですが、パソコンがあれば自宅で十分に処理ができます。マイナンバーの記入など秘匿性の高い情報も増えてきましたので、できるだけ自宅で済ませ、わからないことはネットで確認し、それでもどうしてもわからない箇所があれば、その部分だけ別途税務署などに相談に行くという方が望ましいといえます。
 
■その1 e-Taxを利用して電子申告する
e-Taxとは、インターネットで電子的に申告、納税、申請・届出などの手続きができるシステムです。あからじめ電子申告の開始届出をして自宅などのパソコンにシステムをセットアップできていれば、所得税確定申告の手続きを完了させることができます。平成31年1月からスマートフォンを使った申告が可能となる等、e-Taxの利用手続きがより便利になりました。

 
■その2 e-TaxのWebサイトで申告書を作成して郵送する
e-Taxで直接電子的に申告ができない場合でも、国税庁のe-Taxサイトを使って申告書を作成し、それを紙に印刷することができます。それを、居住地の管轄となる最寄の税務署に郵送すればOKです。申告書の控えも同時に作成されます。
 
■その3 紙の申告用紙に手書きして郵送する
もちろんe-Taxを使わずとも、従来通り税務署に備えてある申告用紙に手書きで書きこんで作成することができます。前年に確定申告をしたことがあり、税務署から郵送で送られてくる人も多いことでしょう。
「その2」と「その3」で共通しますが、郵送の場合、電子申告とは違って電子的な「受領」の証拠が残りません。「税務署の収受印」が押してある申告書の控えが欲しい場合は、返信用の封筒に切手を貼って同封する必要があります。所得などの証明に使えることがありますので、必要であれば控えを送り返してもらう方が望ましいでしょう。

 
■その4 税務署に直接出向いて提出する
最も古典的で、今でも一般的な方法といえます。また、e-Taxにチャレンジしてみたものの、様々な理由から完了できず、結局申告期限間近になって税務署に駆け込みざるを得ない、といった事態もよく聴きます。税務署に資料を持ち込んでその場で担当者に質問しながら記入することもできなくはありませんが、たとえそのつもりでも、税務署に出向く前にほぼ申告書は完成させておき、どうしてもわからないところのみ現場で確認するという方針が望ましいでしょう。
直接税務署に出向く場合、必ずしも申告者自身のマイナンバーカードのコピーを申告書に添付しなくても、マイナンバーカードそのものを持参して本人確認を受けることができます。考えようによってはコピーを取らなくてもよいので手軽かつ安全(メリット)ととらえることもできますが、どちらかというとマイナンバーカードを自宅の外に持ち出さなければならないので危険(デメリット)の方が大きいでしょう。また、マイナンバーカードは自分のものだけを用意すればよいのですが、配偶者や子供など扶養控除の対象となる人のマイナンバーは申告書に記入しなければなりません。いずれにしても税務署に出向いてから関係者全員のマイナンバーを記入するというより、自宅でマイナンバーを用紙に記入しておくことをお勧めします。

 
■その5 税務署に夜に提出する
せっかく税金を還付してもらうのにわざわざ郵便料金を払うなんてもったいない。でも日中は仕事で税務署に出向けないといった人もいるでしょう。でしたら、仕事の時間を外して、夜に税務署に行けば大丈夫です。税務署の入口には「時間外文書収受箱」という郵便ポストのような箱がおいてあります。郵送する要領で申告書を封筒に入れ、その箱に投函すれば大丈夫です。この場合、申告書の控え返送の件や、マイナンバー関連の資料コピーの貼り付けについては、郵送の場合と同じ扱いになります。

 
■その6 税務署以外で申告する
駅や市役所などで提出する、という方法があります。還付申告の期間中、大都市圏の主要駅を中心に「広域還付申告センター」というのが設けられることが多くあります。ここでその都市圏の方の還付申告を文字通り手広く受け付けています。ここに提出しても最終的に申告書は所轄の税務署の窓口に無事届きます。毎年開催場所や条件が異なったりしますので、詳細は所轄の国税局・税務署にお尋ねください。