新品の機械装置の固定資産税を軽減する特例がスタート

2016年06月30日

今後ますます労働力人口が減少し、企業間の国際的な競争も熾烈になり、経済社会情勢がめまぐるしく変化していくなかで、中小企業はどう生き残っていけばいいのか、危機感をつのらせている社長さんも多いことでしょう。
実際に今、求人を出しても応募が全く来ないと嘆いている社長さんが多いですよね。
日本は中小企業が国の屋台骨を支えているといえるため、政府も中小企業の支援に力を入れています。
その一環で7月に新しく施行されるのが「中小企業等経営強化法」です。
 

1.生産性を高める機械装置を取得しよう

少子高齢化の人出不足のなかで中小企業が生き残るためには、いい人材の確保に努めるのは当然ですが、それと同時に、人手不足であっても付加価値を生み出せるよう生産性を向上させることも大切なことですよね。
では、生産性はどう向上すればいいのでしょうか。
ひとつには最新の機械設備を導入するということもあるでしょう。しかし、ヒト・モノ・カネすべてにおいて不足しがちな中小企業にとって、先行き不透明な経済情勢のなかで新しい機械装置を導入することはなかなか勇気が要ることですよね。
 
以前にも紹介したことがある生産性向上設備投資促進税制は、即時償却や特別償却50%、税額控除など大胆な税制ではありますが、法人税を支払っている黒字企業にこそメリットがあれ、赤字企業にはメリットがありませんでした。
 
そこで、今回紹介するのは赤字企業にも効果がある固定資産税の減税という史上初の設備投資減税制度です。これは赤字企業にも朗報です。
    

2.固定資産税はどれだけ安くなるのか

対象機械装置の固定資産税の課税標準が3年間1/2に軽減されます。
 

3.軽減を受けられる対象者

資本金1億円以下の会社
個人事業主
 

4.いつ購入した機械装置が対象になるか

中小企業等経営強化法施行日(平成28年7月初旬予定)から平成30年度末までの投資が対象
施行日前の機械装置は対象外ですのでご注意ください。
 

5.対象機械装置

 経営力向上計画に基づき取得する新規の機械装置(新品)
 生産性を高める機械装置
① 160万円以上
② 販売開始から1年以内
③ 旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上
 

6.特例を受けるための手順

この特例を受けるためには(1)から(4)の手順で手続きをします。
 
(1)工業会が発行する証明書が必要
まず、購入する機械装置が上記②と③の要件を満たすことについて工業会が確認した証明書を入手します。これは購入先が入手してくれます。
 
(2)計画書の申請・受理・認定
経営力向上設備が記載された経営力向上計画を事業所管大臣に提出。(1)の証明書を添付することが必要です。
 
(3)機械装置の取得
基本的には(2)の計画書が認定されてから機械装置を取得します。(2)と(3)が逆になってしまった場合でも機械装置を取得してから60日以内に(2)の計画書が受理されれば、特例の適用を受けられるようです。
 
(4)償却資産申告
 
 
この中小企業等経営強化法は、固定資産税の軽減以外にも政策金融機関の低利融資や民間金融機関の融資に対する信用保証など、さまざまな支援がありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子 執筆者紹介

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子

平成21年7月開業。
著書「団塊世代サラリーマンのための定年退職マニュアル 厚生年金・雇用保険・健康保険の手続きと確定申告がわかる本」(共著)(税務研究会)
ホームページ http://sugihara-accounting.com/
ブログ(大阪の女性税理士sugiの天満橋日記) http://ameblo.jp/sugihara-accounting/

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