マイナンバー制度を再確認、何をどうする?

2016年11月28日

今年も早いもので残すところあと1か月余りとなりました。12月は年末調整、1月には法定調書の作成が待っています。
そして今年からは、源泉徴収事務や法定調書作成業務を行う場合にはマイナンバーを取り扱わなければなりません。
そこで、今回はマイナンバー制度について最終確認をしておきましょう。
 
 

マイナンバー取り扱いの準備

1.責任者と事務取扱者を決めましょう
マイナンバー・特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)の漏えい、滅失又は毀損の防止その他、適切な管理のために、必要かつ適切な安全管理措置を講じなければなりません。
まず、担当者を明確にするためにマイナンバーを取り扱う責任者と事務取扱者を決めます。
責任者は担当者をきちんと監督・教育を行います。担当者は取扱状況のわかる記録を保存し、担当者以外がマイナンバーを取り扱わないようにします。
小規模企業の場合は責任者は社長、事務取扱者は人事給与担当者というのが一般的です。もちろん、社長が責任者兼事務取扱者というケースも多いでしょう。
 
2.基本方針・取扱規程などの作成
最低でも、特定個人情報などを取り扱う場合のマニュアルや事務フロー、チェックリストなどを作成しましょう。
 
3.必要な備品の購入など、技術面・物理面の準備をしましょう
シュレッダー、かぎ付棚、ウィルス対策ソフトの購入、アクセスパスワードの設定、給与ソフトのマイナンバー対応状況の確認など、技術面・物理面でも担当者以外の人がマイナンバーをさわれないようにする措置を講じましょう。
 
 

マイナンバー取り扱いの注意点

取得の注意点
・マイナンバーを取得することができるのは法令で定められた場合だけです。
・マイナンバーの提供を求める際には利用目的を特定して明示しましょう。
・マイナンバーを取得するときは写真付きの個人番号カードで確認するか、通知カードと写真付の運転免許証などで本人確認もあわせて行いましょう。
・従業員の控除対象配偶者などの本人確認は従業員本人が行うため、運転免許証のコピーなどを受け取る必要はありません。
 
利用・提供の注意点
・マイナンバーの利用・提供・収集をすることができるのは社会保障・税・災害対策に限られています。
・従業員や支払先からの同意があったとしても、管理番号など上記以外の目的で利用することはできません。
・給与所得の源泉徴収票や退職所得の源泉徴収票は税務署提出用や市区町村提出用にのみマイナンバーを記載し、従業員交付用には記載しません。
 
保管・廃棄の注意点
・マイナンバーや特定個人情報は法律で限定的に明記された場合を除いて収集・保管することはできません。
・継続的な雇用関係にある場合など翌年以後も継続的にマイナンバーを利用する必要がある場合には、特定個人情報を保管し続けることができます。
・マイナンバーを含む特定個人情報は、年ごとや年度ごとにファイリングして適切に保管します。
・作成事務を処理する必要がなくなった場合や、保管したマイナンバーや特定個人情報の保存期間を経過したら速やかに廃棄・削除する必要があります。
 

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子 執筆者紹介

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子

平成21年7月開業。
著書「団塊世代サラリーマンのための定年退職マニュアル 厚生年金・雇用保険・健康保険の手続きと確定申告がわかる本」(共著)(税務研究会)
ホームページ http://sugihara-accounting.com/
ブログ(大阪の女性税理士sugiの天満橋日記) http://ameblo.jp/sugihara-accounting/

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