1-1 経理の概要

1.会社とは

会社とは、そもそも営業活動により利益を追求して半永久的に継続していくことを前提としています。

そして半永久的に継続するには経営資本の循環が必要です。つまり、会社が最初のお金(資本金)により事務所や店舗を構え、従業員を雇用し、商品を仕入れ、商品を売ったり、サービスを提供したりしてお金を得、その得たお金で給料等の活動費用を支払い、商品を仕入れ、また商品を売り、サービスを提供してお金を得るという循環を繰り返すことになるのです。

 

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会社には、役割別に製造部(生産部)、購買部(仕入部)、企画部等さまざまな部署が存在します。そしてどんなに小さな会社にも、名称は異なるかもしれませんが、営業部、経理部(総務)の役割を果たす部署だけは必ずあると思います。
営業部は、営業目標(またはノルマ)を立て、営業活動により会社に現金(資金)をもたらす役割の部署です。即ち、商品・サービス等を販売する事によって会社の成立基盤を確立する最も大事な機能のひとつを果たしています。

 

2.経理部の役割

経理(総務)部は、その会社のお金(資金)を取り扱い、その流れを月・年単位で集計し、記録・管理して、報告する部署と表現する事ができます。

 

(1)経理部の役割

経理部では、会社という組織の「血液」である資金をコントロールし、その使用状況を把握し、記録・集計して将来の事業に備える資料を作成することが主な役割となっています。このように経理部は、直接的にお金を生む部署ではないのですが、事業計画の判断資料及び会社の経営活動成果をまとめるという、会社運営にとって大変重要な役割を果たす間接部門といわれています。

 

(2)経理の仕事内容

経理部が行う主な仕事には、次のようなものがあります。
①現金管理(出納)業務(日々の現金の入出金管理)
②伝票の作成業務(入出金伝票・振替伝票等の作成)・経理日報の作成業務
③帳簿の記帳業務(現金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳等の作成
④仕入・経費の支払業務(仕入先・購入先等への支払)
⑤給与計算業務(社員等の給与計算)
⑥請求書等の作成業務(売上にともなう納品書・請求書の発行)
⑦証ひょう類の整理管理業務(請求書・領収書等整理・管理)
⑧資金繰り業務(金融機関からの借入・資金の運用)
⑨決算業務(試算表や決算書の作成)
⑩経営分析業務(経営判断のための資料作成)
⑪利益管理業務(予算編成・予算統制のための予算管理表等の作成)
⑫申告・納税業務(決算に基づく申告納税・源泉所得税等の支払)