マイナンバー制度、9月中にしておきたいこと

2015年08月27日

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1.準備はすすんでいますか

国民一人ずつに番号を割り当てる「マイナンバー制度」。平成28年1月に予定されていたマイナンバーと基礎年金番号の連結が、延期されることになりそうです。
ただ「マイナンバー制度」が平成28年1月からスタートすることには変わりありませんので、残念ながら準備の延期はできません。
 
導入準備は進んでいますか? 前回は「いいえ、進んでいません」という声が多かったと思いますが、今回は「さすがに少し進みましたよ。」という方が増えてきたのではないでしょうか。
説明会やセミナーもあちこちで開催されているので、参加したという方も多いでしょう。
 
前回のコラムでは以下のことを8月中にしておいてくださいとお願いしました。
① 社長と人事給与担当者で勉強会
② 責任者と事務取扱者を決める
③ 必要な備品の購入など

 
説明会に参加したり、内閣官房などのホームページに載っている動画や資料を見たりしていただけましたか?
多くの方が「こりゃ大変だ。責任重大だ。」と感じたのではないでしょうか。
 
マイナンバーを取り扱うということは、特定個人情報を取り扱うということになります。
特定個人情報とは、マイナンバー(個人番号)をその内容に含む個人情報のことです。その取り扱いについては、ガイドライン等で具体的な指針が示されています。
 
また、特定個人情報の取り扱いに関する監視・監督を行うため、委員会が設置されていますし、取り扱いに関しての厳しい罰則も設けられました。
例えば、個人番号関係事務又は個人番号利用事務に従事する者が、正当な理由なく、特定個人情報ファイルを提供した場合は4年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は併科を課されることになります。それほど重大な仕事を任されてしまったということです。
 

2.9月中にしていただきたいこと

・8月に引き続き、マイナンバー制度対応のための準備
・従業員への周知
・マイナンバー制度対応のための準備

 
事業者が個人番号(マイナンバー)に関する一連の取扱事務、すなわち、個人番号の取得、安全管理措置、保管、利用、提供、開示・訂正・利用停止、廃棄についてのルールが、法令やガイドライン等によって示されています。事業者はそれらガイドライン等に基づいて個人番号を取り扱う必要があります。
 
マイナンバーの取得から廃棄までの流れを理解したうえで必要な準備を行っていきましょう。
まずは取得から廃棄までの流れを簡単に説明します。
 
【取得】
➢ マイナンバーを取得することができるのは法令で定められた場合だけです
➢ マイナンバーの利用目的を明示しましょう。
➢ マイナンバーを取得するときは写真付きの個人番号カードで確認するか、通知カードと写真付の運転免許証などで本人確認もあわせて行いましょう。(写真付の個人番号カードの発行は平成28年から)
 
【利用・提供】
➢ マイナンバーの利用・提供・収集をすることができるのは社会保障・税・災害対策に限られています。
➢ 他人のマイナンバーをメモしたりプリントアウトやコピーをすることも収集にあたりますので気をつけてください。
 
【保管・廃棄】
➢ マイナンバーや特定個人情報は法律で限定的に明記された場合を除いて収集・保管することはできません。
➢ マイナンバーを含む特定個人情報は、年ごとや年度ごとにファイリングして適切に保管します。
➢ 作成事務を処理する必要がなくなった場合や、保管したマイナンバーや特定個人情報の保存期間を経過したら速やかに廃棄・削除する必要があります。

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子 執筆者紹介

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子

平成21年7月開業。
著書「団塊世代サラリーマンのための定年退職マニュアル 厚生年金・雇用保険・健康保険の手続きと確定申告がわかる本」(共著)(税務研究会)
ホームページ http://sugihara-accounting.com/
ブログ(大阪の女性税理士sugiの天満橋日記) http://ameblo.jp/sugihara-accounting/

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