なるほど! 確定申告 〜事業所得の誤りやすいポイント〜

2015年02月23日

4.業務用資産の損害保険料は全額必要経費に算入している・・・NG

保険期間が3年以上で、満期返戻金がある損害保険契約の損害保険料は、積立部分と積立以外の部分に分かれています。
積立部分は単なる貯金みたいなもので満期になれば戻ってくる部分ですよね。当然、必要経費にはなりません。
積立部分以外の保険料のみ必要経費に算入してくださいね。
 

5.店舗併用住宅に係る費用をすべて必要経費に算入している・・・NG

家事関連費のうち必要経費となるのは、経費の主たる部分が業務の遂行上必要である部分を明らかに区分できる場合のその部分だけです。青色申告者は、それ以外にも取引の記録に基づいて、業務の遂行上直接必要であったことが明らかにできる部分も必要経費に算入できます。
では、具体的に何パーセントを必要経費とするのかについては、所得税基本通達45-1に「業務の内容、経費の内容、家族及び使用人の構成、店舗併用の家屋その他の資産の利用状況等を総合勘案して判定する」とあります。
その割合に決定した理由について聞かれた場合には、説明できるようにしておきましょう。
 
店舗併用住宅に関連する経費としては、固定資産税、水道光熱費、損害保険料、借入金利子、減価償却費等があります。
全額必要経費にしていないか、いま一度チェックしてみてください。
 

6.3月15日(平成27年は3月16日)までに申告書を提出しなかったのに65万円の青色申告特別控除を適用している・・・NG

65万円の青色申告特別控除は、貸借対照表、損益計算書、明細書の添付があり、かつ、確定申告書を期限内に提出した場合に限り、適用することができることになっています。
せっかく「円簿青色申告」できちんと記帳しても、期限に間に合わなかったら65万円特別控除が適用できません。申告はお早めに!!
 
 
いかがだったでしょうか。ひとつくらいはドキッとするものがありましたか?
個人事業主のみなさんが日常業務に追われて確定申告が後回しになり、期限ぎりぎりになってしまう気持ち、よくわかります。
実際、私も個人事業主ですので確定申告が必要なのですが、お客様のことで頭がいっぱいで、自分の確定申告は毎年期限ぎりぎりになってしまいます。今年こそは2月中に提出したいものです。
 
さあ、みなさんご一緒に「申告はお早めに!」

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子 執筆者紹介

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子

平成21年7月開業。
著書「団塊世代サラリーマンのための定年退職マニュアル 厚生年金・雇用保険・健康保険の手続きと確定申告がわかる本」(共著)(税務研究会)
ホームページ http://sugihara-accounting.com/
ブログ(大阪の女性税理士sugiの天満橋日記) http://ameblo.jp/sugihara-accounting/

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