複数の案の中からもっとも得する案の選び方

2015年04月27日

損得学のススメ(8)です。今回は、複数の「案」から一番得をする案を選択するための法則を解説します。

 

まずは、「独立案」の場合です。

独立案とは、複数の案がある中で、お互いが干渉し合わないために、有利なものを自由に組み合わせて選択できる案のことです。

独立という名称ですが、一つの案だけを採択するのではありません。

 

まずは身近なところからいくつか独立案の例を紹介します。

 ①定員50名の特別選抜コースに200人の応募があったため、入学試験を実施し選抜する場合。

 ②居酒屋の店主がお客に出すつまみをいろいろ考えて、ワゴンで漁港へ仕入れに出かけたと
  き、この日の営業において最大の売上を上げるべく、魚の種類や鮮度、数量などから選別し
  てワゴンに積む場合。

 ③1万円のお年玉で、ゲームソフト、本、菓子などを自分なりに判断して買う場合。

 

これらの例を見ていただくとお分かりいただけるとおり、複数の中から1案選んでも他の案がまだ選ばれる可能性があります。これが独立案です。

 

独立案は次の図のようにイメージすることができます。

損得学vol.8の図1

 

鞄の中に缶(荷物)を詰める場合、鞄には容量があるので、いろいろな基準から一番得になる缶の組み合わせを考えながら目一杯に詰めるはずです。

このときに基準として考えるのは、価格であったり、味であったり、重さだったりと、いろいろなパターンを試しながら選ぶのではないでしょうか。

 

独立案からの選択は、資源に制約がある中で、得られる効果を最大化することが重要なポイントになります。

この効果を図る代表的な基準は「効率」であり、効率の高い順に独立案を制約資源に達するまで採用することによって、効果の最大化を図ることができます。

 

効果の最大化が得られる案を選択するという点から、さらに理解を深めていただくために、いつもどおり、例題から解説します。

 

【例題1】

凸凹テックの工場では、次表のような4件の注文を取引先から提示されました。工場の稼働状況から生産時間合計が20時間までであれば受注が可能ということになりました。そこで、どの案の注文を組み合わせた場合に粗利益を最大化できるでしょうか。

損得学vol.8の図2

 中小企業診断士 アンドウ・ユタカ 執筆者紹介

 中小企業診断士 アンドウ・ユタカ

資金調達や財務分析に長年取り組んできた経験を生かし、「経営で生じた会計・ファイナンスの疑問点をシンプルにわかりやすく解説すること」をモットーに、企業内診断士として活動しています。

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