職場のパワハラについて知る

2016年08月08日

近年、職場のパワーハラスメントは、都道府県労働局や労働基準監督署等への相談が増加しており、さらに、「いじめ・嫌がらせ」については、個別労働紛争解決制度の相談内容の中でトップの件数となっていることなど、社会的な問題として顕在化してきています。
 
今回は、職場のパワーハラスメントについて考えるとともに、企業としてできる予防や対策についてお話しします。

 

 

職場のパワーハラスメントの定義

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、又は職場環境を悪化させる行為をいいます。

 

◆職場内での優位性とは?

職務上の地位に限らず、人間関係や専門知識、経験などのさまざまな優位性が含まれます。上司・部下間、先輩・後輩間、同僚間、正社員・パート社員間など様々な人間関係があるなか、例えば、部下から上司への行為等もパワーハラスメントに当たります。

 

◆業務上の適正な範囲とは?

業務上の必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、業務上の適正な範囲で行われている場合にはパワーハラスメントにはあたりません。各職場で、何が業務の適正な範囲で、何がそうでないのか、その範囲を明確にする取組を行うことによって、適正な指導をサポートするものでなければなりません。

 

 

パワーハラスメントの行為類型

  行為類型   具体的な行為         例
①身体的な攻撃 ・暴行

・傷害

・足で蹴る ・胸ぐらを掴む

・火のついたタバコを投げる

②精神的な攻撃 ・脅迫

・名誉棄損

・侮辱

・ひどい暴言

・皆の前で大声で叱責

・ミスを皆の前で大声で言う

・「お前何しに会社来てるの? 帰れ」と言う

③人間関係から
の切り離し
・隔離

・仲間外し

・無視

・挨拶しても無視し、会話をしない

・部署の食事会に誘わない

・他の人に手伝わせないようにする

④過大な要求 ・業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制

・仕事の妨害

・終業間際に過大な仕事を毎回押し付ける

・一人では無理とわかっている仕事を一人でやらせる

⑤過小な要求 ・業務上の合理性がなく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる

・仕事を与えない

・一度の失敗で、その業務はしばらくしなくてよいと言う

・営業なのに買い物や倉庫整理などを必要以上に強要

・草むしり

⑥個の侵害 ・私的なことに過度に立ち入る ・交際相手の有無を聞かれ、過度に結婚を推奨する

・個人の宗教を皆の前で言い、否定、悪口を言う

・休みの理由を根掘り葉掘り聞く

 

横地冬美事務所 特定社会保険労務士・行政書士 横地冬美 執筆者紹介

横地冬美事務所 特定社会保険労務士・行政書士 横地冬美

2003年社会保険労務士、2004年行政書士登録。人事労務のエキスパートとして「正確・迅速・分かりやすく」をモットーに日々業務を行っています。
横地冬美事務所 http://yokochi-office.net

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