思い描くことで道は開ける

2016年11月21日

高校の同期会があった。卒業してから6回くらいやっている。
現在私は64歳なので、高校を卒業してから46年経ったことになる。
 
300名くらいの卒業生のうち100名近くが集まったのだから、まあたくさん来たほうだろう。
多摩地区の名門都立高校だったので、出世した仲間も多い。大手企業の社長、医学部の教授、検事など、まあとても私など足下にも及ばない。
 
 
しかし、同期生の女性から、「よねやま君は、生活費は医者で稼いで、作家になって自由に書いていきたいと言っていたけど、その通りになったわね」と言われた。
そんなことを言った記憶は全くないが、高校時代に描いた生き方を実現させたことは確かに事実だ。まあ、その中身は問題があるかもしれないが。
 
北杜夫にあこがれ、船医になって世界中を旅することも夢だった。船医ではなく乗客として大型客船に乗って、ここ15年くらい旅をしているので、それも実現させたように思う。
 
 
結局、何も私だけが夢の実現をしたのではなく、同期会に集った仲間の大半は高校自体に描いた夢を実現しているのではないだろうか。
というのも、ほとんどの連中が高校時代の生き方の延長に見えるのだ。
まじめに勉強して成績のよかった連中は東大などに進み、それなりのエリートになっている。
 
私のように高校時代から自由を叫んでいた人間は、まあ程度はそこそこであるが自由に生きている。
 
つくづく人間というのは描いた夢以上にはならないし、夢を描かなければ実現もしないものだと思う。
 

 作家・医学博士 米山公啓 執筆者紹介

 作家・医学博士 米山公啓

1952年山梨県生まれ。作家・医学博士。専門は神経内科。1998年に聖マリアンナ医科大学内科助教授を退職。現在は週4日、東京都あきる野市にある米山医院で診療を続けるかわたら、実用書や医学ミステリーなどの執筆から、講演、テレビ・ラジオ出演など、幅広い活動を行っている。著作は280冊を超える。主な著作には「もの忘れを90%防ぐ法」(三笠書房)「脳が若返る30の方法」(中経出版)「健康という病」(集英社新書)など。趣味は客船で世界中の海をクルーズすること。

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