残業代計算をゼロから設定する方法と時短のコツ
2025年10月02日
なぜ残業代計算は経営者・バックオフィス担当者の頭を悩ませるのか従業員20名未満の中小企業でも、残業代計算は避けて通れない業務です。
労働基準法に従って「所定労働時間」「法定労働時間」「割増率」を正しく適用しなければ、未払い残業代や法的トラブルのリスクが発生します。
特に紙のタイムカードやExcel集計で行っている場合、打刻ミスや計算式の誤りが起きやすく、修正に多くの時間を取られるのが実情です。
「毎月の給与計算期になると数日が潰れる」「確認作業で残業が発生して本末転倒」といった声も少なくありません。
こうした背景から、残業代計算をゼロから正しく設定し、効率化する方法を知ることが経営の安定に直結します。
1.ゼロから始める残業代計算の基本設定
残業代計算をスムーズに行うには、以下の基本ステップを押さえる必要があります。
① 所定労働時間の設定
会社の就業規則に定められた1日の労働時間・週の労働時間を確認します。
② 法定労働時間との照合
労働基準法では「1日8時間、週40時間」を超える場合に残業代が発生します。これを超過した部分が割増計算の対象です。
③ 割増率の確認
• 時間外労働:25%以上
• 深夜労働(22時〜翌5時):25%以上
• 休日労働:35%以上
④ 基礎賃金の算出
基本給を月の所定労働時間で割り、1時間あたりの賃金単価を出します。ここに割増率を掛けることで残業単価が決定します。
⑤ タイムカード・勤怠データの集計
実際の打刻データを集め、超過時間に基づいて残業代を算出します。
このプロセスを手作業で行うと煩雑ですが、一度ルールを設定して自動化できる仕組みを整えれば、毎月の負担は大幅に軽減されます。
2.残業代計算を効率化する3つの時短のコツ
① 勤怠管理と給与計算を連携させる
勤怠システムから自動で労働時間を集計し、そのまま給与計算に反映できれば、手入力や二重確認が不要になります。
② 残業単価を自動算出する設定を活用
一度、基本給と割増率を設定しておけば、変更がない限り毎月自動で計算されます。複数の従業員に共通ルールを適用できるのも効率的です。
③ チェックリストを運用する
最終確認は人の目が必要です。毎月のチェックリストを用意し、「深夜残業の反映漏れ」「休日勤務の記録」などを確認することで、ミスを最小化できます。
3.手作業とクラウド給与ソフトの比較
残業代計算をゼロから設定する際、手作業とクラウド給与ソフトの違いを理解することが重要です。
項目 |
Excel・手作業 |
クラウド給与ソフト |
設定のしやすさ |
数式・マクロが必要 |
初期設定画面で簡単入力 |
計算の正確性 |
人為的ミスの可能性大 |
法令に基づく自動計算 |
時間コスト |
毎月数時間~数日 |
数分~数時間 |
法改正対応 |
自力で更新 |
ソフトが自動アップデート |
この比較からもわかるように、クラウド給与ソフトは「初回設定の手間を最小化」し、「毎月の計算を半自動化」する点で大きな優位性があります。
4.残業代計算を自動化するステップ
実際にクラウド給与ソフトを導入する場合の流れを整理します。
① 初期設定:所定労働時間・休日規定・残業割増率を入力
② 従業員情報の登録:給与形態、基本給、手当を入力
③ 勤怠システムとの連携:打刻データを自動取り込み
④ 試算・確認:数か月分のサンプル計算を行い誤差を修正
⑤ 運用開始:以後は月末に勤怠データを反映するだけ
一度設定を済ませてしまえば、毎月の「集計」「計算」「入力」の作業がほぼ不要になります。
5.導入事例:A社(従業員12名・製造業)の場合
A社はこれまでExcelで残業代を手作業計算しており、月末の給与計算に平均12時間を費やしていました。
さらに、過去には残業代の計算漏れで従業員から指摘を受けることもありました。
クラウド給与ソフトを導入し、勤怠管理システムと連携させた結果:
• 月次の給与計算時間が 12時間 → 2時間(年間約120時間削減)
• 人為的な計算ミスがゼロに
• 労務リスクが軽減し、経営者は本業に集中可能
コスト面でも、年間で約30%の効率化を実現しました。
6.料金プラン資料ダウンロードのご案内
もし「残業代計算をゼロから正しく設定したい」「効率化してミスをなくしたい」と感じているなら、クラウド給与ソフトの導入を検討するタイミングです。
導入事例でも示した通り、クラウド給与ソフトを活用すれば年間100時間以上の削減も現実的です。
ぜひ一度、料金プラン資料をご覧いただき、自社に合った仕組みを検討してみてください。