2-4 手形

手形の記載内容

(1)約束手形の要件(記載方法)
手形については次の記載要件が必要で、記入漏れ等の不備がある場合には、支払を拒否されますので注意してください。
(通常手形に記載されている記載要件)
「約束手形」であることを記載した文字
手形番号
 手形を管理する上で使う番号。
支払地及び支払場所
 支払銀行の所在地及び支払銀行の名前。
支払を委託した内容を記載した文字
 通常、「上記の金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と引替えにお支払いいたします」と記載します。

(通常、振出人が記載する必要がある記載要件)
金額
 通常は、チェックライター等で記載します。金額の頭に「¥」、終わりに「※」を記載します。手書きの場合は、漢数字で記入します。この場合は「金」、「円也」を記載します。
受取人
 手形の受取人の名前。
支払期日
 振出人が、受取人に支払う期日。支払期日が、金融機関の休業日に該当する場合には、翌日以降の営業日が支払期日となります。
振出地
 振出人の所在地。
振出日
 手形を振り出した日付。
振出人
 振出人の記名。個人の場合は、氏名を記入します。法人の場合は、法人名・代表取締役名等を記入。
振出人の印
 この印鑑は、金融機関に届けている印鑑(記載要件にはなっていないが必ず押すこと)。
印紙及び割印
 手形には、印紙税法により手形に記載された金額に応じて収入印紙を貼らなければなりません。そして、その印紙に割印(通常、銀行届出印)をします。

(2)約束手形のみみ(控)の記入内容
約束手形帳は、通常25枚綴りになっています。その手形帳は、約束手形の本体とみみ(控)の部分からなります。約束手形本体の記載要件は、上記(1)によりますが、みみの部分の記載内容は次の通りです。
手形番号
 通常は、すでに印刷されています。
受取人
 約束手形の受取人名。
金額
 約束手形の本体に記載された金額。
支払期日
 約束手形が決済され受取人にお金が支払われる日付。
支払地及び支払場所
 支払銀行の所在地及び支払銀行の名前。通常は、印字されています。
振出日
 約束手形を振り出した日付。
振出地
 約束手形の振出人の所在地。通常は、印字されています。
備考
 相手先に約束手形を振り出した原因等を記載。例えば、○○月の買掛金の支払等。

(3)為替手形の記載要件及びみみの記載内容
為替手形は現在あまり使われていませんが、簡単に記載要件を説明しておきましょう。為替手形の記載要件は約束手形に似ていますが、次のような違いがあります。振出人以外に支払人(引受人)に関する記載が必要であることに注意してください。
「為替手形」であることを記載した文字
手形番号
 振出人の住所及び氏名・捺印、手形の支払人(引受人)の住所及び氏名・捺印。
引受日
 手形の支払人が、その支払を引き受けた日。
また、みみ(控)についても、手形番号・支払人(引受人)の名前を記載する点が異なります。