2-4 手形

割引手形・裏書手形

受け取った手形について、支払期日前にお金にする方法や仕入先等の相手に譲渡する方法があります。
(1)割引手形
①割引手形の内容
「割引手形」とは、資金繰りの都合等で受け取った手形の支払期日到来前に金融機関に「割引」を依頼して現金化した手形のことをいいます。
この場合、金融機関に割引をしてもらった日から手形の支払期日までの利息を「手形割引料」として金融機関に支払います。また、割引を依頼したことにより手形を取り立てるのは金融機関となりますので、手形取立料も支払うことになります。
また、手形の割引は一種の借入金となりますので、金融機関によりその割引率も変わりますし、割引行為を行ってもらえるかどうかも決まってくるので注意してください。
手形を振り出した会社の信用度によっては、信用保証協会等の第三者の保証が必要となる場合があります。
②割引の依頼方法
割引を金融機関に依頼する場合には、手形の取立と同じように手形の裏書が必要となります。
記載内容は、取立の場合と同じです。違うのは、裏書の目的が「取立依頼」ではなく「割引」となることですが、これは金融機関で記入してもらえるので、実際の記入については、同じとなります。
割引の依頼に際しては、あらかじめ金融機関に相談するようにします。これまで割り引いてくれていた場合でも、割引限度額の問題等で割り引いてもらえない場合もありえます。現在は上場会社の手形でも、欠損や債務超過の場合には優良手形に該当せず割引ができないことがあります。
(2)金融手形と手形借入
割引手形のように受け取った手形ではなく、借入金の借入証書に代えて手形を振り出して証書として借入を行うことができます。この行為を「手形借入」といい、この場合に振り出した手形を「金融手形」といいます。
手形借入は、通常の借入証書に貼る収入印紙に比較して安くすむことや、金融機関での書類のやり取りが簡素化できること等により、日常よく行われている行為です。
(3)裏書手形
①裏書手形の内容
「裏書手形」とは、受け取った手形を買掛金等の支払のため相手に譲渡した手形のことをいいます。

通常、手形は振出日から支払期日まで1ヶ月以上の期間があり、その間はお金にはなりません。このような場合に、受け取った手形の支払期日前に取引先等に手形を譲渡することがあります。このことを「手形の裏書譲渡」といいます。
この裏書手形を受け取った会社等は、さらにこの手形を裏書譲渡することも可能です。
②手形の裏書方法
手形を譲渡する場合には、譲渡したことを証明する意味と手形の流 経路をはっきりさせる意味から裏に裏書を行います。
裏書の内容は、手形の裏書をした日付・手形を譲渡した人(裏書人)の住所及び署名・捺印と手形を譲渡された人(被裏書人)の名です。このうち、裏書人の署名・捺印は、必ず行わなければなりません。