1-3.税金はこういうコトで安くなる

「寄附金を支払った」

国や地方自治体などに対する寄附や、法令で定める寄附については一定額が寄附をした者の所得から控除されます。これを「寄附金控除」と言います。サラリーマンの場合、年末調整で控除できないので、該当する寄附金があるならば必ず還付申告しましょう。

また、政党などに対する政治献金は、「政党等寄附金特別控除」を受けることができるものもあります。

 

対象となる寄附金

寄附金控除できる寄附金は次のような寄附金です。

 

・国や地方公共団体に対する寄附金

・日本赤十字や社会福祉法人など「公益の増進に著しく寄与する法人」として国から認められた団体に対する寄附金

・公益法人などが特定の目的のために募集した寄附金で財務大臣が認めたもの

・財務大臣等が認定をした日から5年を経過していない特定公益信託の信託財産とするために金銭でする寄附金

・新型コロナウイルス感染症のための各種措置等より文化芸術又はスポーツに関する行事で一定のものの入場料金等払戻請求権の全部又は一部を放棄した部分の合計額(上限20万円)

 

この他にも認定されたNPO法人に対する寄附金や、一定の政治献金等も対象になります。

※「公益信託」とは財産を信託銀行に信託や管理をしてもらう形で寄贈し、特定の公益的な目的のために役立てる制度です。

※ただし、上記に該当する寄附金でも学校の入学に関してするもの、寄附をした者に特別の利益が及ぶと認められるものは、寄附金控除にはなりません。実際に寄附金控除ができるかどうか、募金の主催者や管理者に確認しましょう。

 

慈善の気持ちを税制が後押し

ここ数年自然災害が増えており、募金を募集している団体も数多くあります。

そうした募金に応ずる気持ちを後押しするのが寄附金控除です。年末までに寄附された寄附金がその年の所得の控除対象となります。

年の瀬に確定申告で収入を調べてみたら思ったより多かった、などということがあれば、以前から気にかけていた寄附をしてみるのも一つの節税対策(?)と言えます。

 

→申告書の記入については、〔3-13.寄附金控除の記入〕を参照

 

「シングルで子育てをしている、結婚相手と死に別れた、離婚した」

(1) 居住者が未婚のひとり親に対する控除を「ひとり親控除」と言います。
 

ひとり親控除を受けられる者(男女ともに)

・その者と生計を一にする子を有すること

・合計所得金額が500万円以下であること

・その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと(事実婚でないこと)

(注)この場合の子供は、総所得金額が48万円以下で、他の人の扶養親族や同一生計配偶者になっていないこと

 

(2) ひとり親に該当しない寡婦に対する控除を「寡婦控除」と言います。
 

寡婦控除を受けられる女性

・夫と死別、離婚、夫が生死不明の状態であること

 (離婚の場合は扶養親族を有すること)

・合計所得金額が500万円以下であること

・その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと(事実婚でないこと)

(注)この場合の扶養親族は、合計所得金額が48万円以下で、他の人の扶養親族や同一生計配偶者になっていないこと

 

区 分

ひとり親控除額

寡婦控除額(女性のみ)

扶養親族あり

扶養親族なし

子供あり

子供なし

死別・生死不明

35万円

27万円

27万円

離婚

35万円

27万円

未婚

35万円

 

☛Point
寡夫控除及び寡婦控除の特例は廃止されました。

 

→申告書の記入については、〔3-5.寡婦・寡夫控除の記入〕を参照

 

働きながら勉強している(勤労学生控除)

控除の対象となる勤労学生
勤労学生とは、その年の年末時点で次の3つの条件のすべてに当てはまる人です。

 

・給与所得などの勤労による所得がある。

・合計所得金額が75万円以下で、しかも勤労によらない所得が10万円以下であること。

※サラリーマン・アルバイトなど給与所得だけの人なら、給与所得の金額が130万円以下ならば所得金額が55万円以下となります。

・中学、高校、大学、高等専門学校、専修学校や各種学校で職業に必要な技術を教える学校、認定職業訓練を行う職業訓練法人などに通う学生。

※自分の通う学校が該当かどうか分からないときは、通学している学校の窓口で確認してください。

 

→申告書の記入については、〔3-6.勤労学生控除の記入〕を参照