1-3.税金はこういうコトで安くなる

「病気・ケガをした」

自分や家族が病気になり、医療費を支払った場合には、支払った医療費のうち一定の金額が所得から控除できます。これを「医療費控除」と言います。

 

対象となる医療費

納税者本人や生計を一にする(簡単に言うと「サイフが一緒」ということです)家族のためにその年中支払った医療費

※対象となる医療費はその年に支払ったものに限られ、請求書だけで未払いのものは対象となりません。

 

これは医療費控除対象?

医療費控除の対象は、あくまで病気になったり、ケガをした場合の医療費に限られています。ですから、顔を整形したなどの費用は、もちろん対象になりません。

 

●子供が噛み合わせを直すための歯列矯正はOKですが、美容のための歯列矯正は対象になりません。

●金歯などはいわゆる「保険が効かない」治療ですが、医療費控除は受けられます。

●治療で病院に行く交通費は医療費控除の対象になります。子供などの治療で、親が一緒に行かなければならないような場合は、親の交通費も対象になります。しかし、自家用車で病院に行った場合、ガソリン代などは控除対象になりません。

●人間ドック費用は、そこで病気が見つかった場合、医療費控除の対象になりますが、健康なことがわかった場合、控除対象にはなりません。

●6ヶ月以上寝たきりの人が医師に治療を受けている場合、医師が「おむつ」が必要と認めた場合、そのおむつ代は医療費控除になります(医師の証明書が必要)。

 

→申告書の記入については、〔3-12.医療費控除の記入〕を参照

 

社会保険料を支払った(社会保険料控除)

社会保険料控除は、納税者が自分自身の社会保険料を支払った場合、又は納税者と生計を一にする(簡単に言うと「サイフが一緒」ということです)配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合に受けられる所得控除です。

通常、サラリーマンの方の場合、年末調整ですでに控除は済んでいるので、還付の申告をする場合に改めて社会保険料の計算をする必要はありません。

※入社前にその年に支払っていた国民年金などがある場合は、還付申告をした方が良いでしょう。保険料の領収書などは大切に保管しておきましょう。

 

→申告書の記入については、〔3-1.社会保険料控除の記入〕を参照

 

小規模企業共済などで支払った(小規模企業共済等掛金控除)

小規模企業共済は小規模企業共済法に基づいて中小企業基盤整備機構が「事業主の退職金制度」として行っている共済制度です。また、心身障害者扶養共済制度(福祉医療機構)の掛金及びiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金についても対象になっています(古い契約の中には生命保険料控除の対象となるものがあります。申込書・契約書などを参照の上、中小企業基盤整備機構に確認するとよいでしょう)。

 

→申告書の記入については、〔3-2.小規模企業共済等掛金控除の記入〕を参照

 

「生命保険・個人年金に加入した」

生命保険、介護医療保険、個人年金に加入した場合、保険料の一定額までは、所得から控除できます。これを「生命保険料控除」と言います。通常は、勤め先に保険会社から送られてくる控除証明書を提出していれば、年末調整で手続きが済みます。しかし、控除証明書を勤め先に出すのを忘れていたり、年末調整の申告書に記入しなかったりした場合、還付申告で控除が受けられることがあります。

実際、自分がどのような保険契約を結んでいるか、もう一度確認してみましょう(保険会社に「控除証明書不要」として申し込まれている場合もあるので、生命保険会社に確認するとよいでしょう)。

 

 

対象となる生命保険料・介護保険料・個人年金保険料

・対象となる生命保険料

保険金などの受取人が自分か又はその配偶者、その他の親族となっている生命保険契約や簡易保険の保険料や掛金(ただし保険期間が5年未満のものの一部は除かれます)。

 

・対象となる介護医療保険料
医療費等支払を事由に保険金が支払われる保険で、平成24年以降に締結した契約についての保険料や掛金。一般の生命保険とセットになっているもののうち、この事由にあたる部分が対象となることもあります。

 

・対象となる個人年金保険料

個人年金保険契約等の保険料や掛金(個人年金保険契約等とは、生命保険会社と契約した個人年金保険契約や郵便年金契約などです。詳しくは契約している生命保険会社に確認するとよいでしょう)。

 

→申告書の記入については、〔3-3.生命保険料控除の記入〕を参照

 

地震保険に加入した

地震保険に加入して保険料を支払った場合、保険料の一定額までは、所得から控除できます。これを「地震保険料控除」といいます。地震保険でなくても、平成18年以前に契約した損害保険契約であれば対象となるものがあります(旧長期損害保険)。保険会社から送られてくる控除証明書を勤め先に提出していれば、通常は年末調整で手続きが済みます。しかし控除証明書を勤め先に出すのを忘れていたり、年末調整の申告書に記入しなかったりした場合でも、還付申告で控除が受けられることがあります。

実際、自分がどのような保険契約を結んでいるか、もう一度確認してみましょう(保険会社に「控除証明書不要」として申し込まれている場合もあるので、損害保険会社に確認するとよいでしょう)。

 

対象となる損害保険契約・損害共済契約

損害保険会社などと契約した保険で、

・自分や自分と生計を一にする(簡単に言うと「サイフが一緒」ということです)配偶者や親族が所有している住宅や家財を対象にした契約

・家族の傷害や入院医療費などを対象とする保険又は共済契約

※数年分の保険料や掛金をまとめて支払った場合、控除対象になる金額は年払いのものなら1年分、月払いのものならその年に支払った金額だけになります。控除対象となる金額は、実際に支払った金額で払込期日が到来しただけでは対象となりません。

 

→申告書の記入については、〔3-4.地震保険料控除の記入〕を参照